2024年5月に発売されたiZotope『RX 11』。筆者は今回を機に買い替えを検討するついでに、どのような機能の変化があるのかRX 9、RX10、RX 11の3つで簡潔に違いをまとめました。
セール情報はこちらの記事でまとめています
iZotope RX 9, RX 10, RX 11 【Elements版】の違い
まずはElements版で比較します。
Elements | RX 9 | RX 10 | RX 11 |
---|---|---|---|
Repair Assistant Plug-in 半自動リペア機能 | ● | ●+性能UP | ●++更に大幅性能UP |
De-click クリックノイズ音除去 | ● | ● | ● |
De-clip クリッピングノイズ除去 | ● | ● | ● |
Voice De-noise 声音ノイズ除去 | ● | ● | ● |
De-reverb リバーブノイズ除去 | ● | ● | ● |
De-hum ハムノイズ除去 | ● | ●+Adaptiveモード対応 | ●+Adaptiveモード対応 |
Elements版はRXシリーズの根幹をなす半自動ノイズ補正機能「リペアアシスタント」の性能向上が中心となっています。
特に、RX 11のリペアアシスタントは声のノイズ除去が強力になっているので、RX 9からはもちろん、RX 10からのアップグレードでも違いを実感しやすいと思います。
ただ一つ迷いどころなのは、Elements版には基本的にアップグレードによる割引購入が用意されていないところ。ここはお財布と相談です。
iZotope RX 9, RX 10, RX 11 【Standard / Advanced版】の違い
RX 9, RX 10, RX 11の3つで差がある機能と新しく追加された機能のみを以下にまとめます。(全てに共通して搭載された、差のない機能は省略します)
- 「●」はStandardとAdvancedの両方に搭載された機能
- 「◇」はAdvancedのみに搭載された機能
- 「+」は性能向上や追加機能を示します
Standard | RX 9 | RX 10 | RX 11 |
---|---|---|---|
Dialogue Contour 声のピッチ・エンベロープ調整 | ◇[Advancedのみ] | ◇[Advancedのみ] | ◇[Advancedのみ] +より細かく調整可能に |
Streaming Preview 各プラットフォームで聞こえる音を再現する機能 | ● | ||
Loudness Optimize ラウドネス自動調整機能 | ● | ||
Mid/Side Mode ミッドサイド編集 | ● | ||
Audio Devices Refresh RXを再起動することなく、環境設定よりオーディオデバイスを変更可能に | ● | ||
Music Rebalance ボーカル、ドラム、ベース、その他を抽出する機能 | ● | ● | ●+性能UP |
Dialogue Isolate 話し声だけを抽出する機能 | ◇[Advancedのみ] | ◇[Advancedのみ] | ●[Standardでも利用可能に] ◇[Advancedのみ追加機能] ◇+性能UP ◇+リバーブ対応 |
Repair Assistant 半自動リペア機能 | ● | ●+性能UP | ●++更に性能UP |
Text Navigation 会話内容がテキスト化される機能 (英語のみ対応) Multiple Speaker Detection 発話者の聞き分る機能 | ● | ● | |
First time user experience チュートリアルツアー | ● | ● | |
Repair Assistant Plug-in 半自動リペア機能のプラグイン版 | ● | ● | |
Spectral Recovery 失われた音声帯域を復元する機能 | ◇[Advancedeのみ] | ◇[Advancedのみ] +低音域も対象に | ◇[Advancedのみ] +低音域も対象に |
De-hum ハムノイズ除去機能 | ● | ●+Adaptiveモード対応 | ●+Adaptiveモード対応 |
Selection Feathering (w frequency) 編集箇所の境目にクロスフェードをかけて自然にする機能 | ● | ● |
Standard版ユーザーにとって最も大きなRX 11の変更点は、「Dialogue Isolate」の搭載です。AdvancedをAdvancedたらしめる機能のひとつがStandard版でも利用できるようになったことで、今まではAdvancedがほぼ必須だったポスプロ系の用途でもStandard版が選択肢に入るようになりました。
Advanced版ユーザーにとっては低音にも対応した「Dialogue Contour」と、上級機能が開放され、リバーブもコントロールできるようになった「Dialogue Isolate」が魅力的。
RX 9ユーザーであれば、RX 11の根幹をなす半自動ノイズ補正機能「リペアアシスタント」の性能向上ぶりはかなり実感しやすいはずです。また、RX 10から搭載されたDe-humのAdaptiveモード対応(Learnしなくてもノイズ除去ができるもの)は利便性の向上につながるでしょう。
RX 11ではRXを再起動せずに環境設定画面からオーディオデバイスを変更できるようになりました。これも地味ながら便利なはずです。
RX 11の最安購入法【クロスグレード・アップグレードも対応】
以下記事にiZotope製品の所持状況によって買える様々なアップグレード・クロスグレードをまとめて最も安く購入する方法解説していますので、ぜひご活用ください。