映像制作や動画制作をしていると見逃してしまいがちなのが音声のクオリティ。
一度音声のノイズに気がつくとどうにかして修正したくなるものの、動画編集ソフトに付属している標準のノイズ除去機能では不十分に感じるケースが多いはずです。
こういうノイズを消したい
- マイクに乗ってしまった「サーッ」というホワイトノイズ
- エアコンの稼働音や自動車の音
- 部屋に響いてエコーが掛かった声
- リップノイズ、いわゆるクチャ音
実のところ、プロの現場では動画編集ソフト付属のノイズ除去機能ではなく、ノイズ除去や音声の補修に特化したソフトを使うケースが多かったりします。
この記事では、ノイズ除去で活躍するおすすめのソフトをご紹介します。
泣く子も黙る業界標準のiZotope『RX』
予算の有無に関わらず知っておきたいのはiZotopeの『RX』です。業界標準と名高いソフトウェアで、プロの現場では多く使われています。
会話からノイズを取り除く作業はもちろん、さらに的を絞って「鳥の鳴き声を消す」「音楽からボーカルだけ抜き出す」など様々なことを実現できます。
価格は機能別にElements / Standard / Advenced の3種類が用意されています。
- Elements
- 定価19,900円→セール時2,000〜10,000円程度
- マイク由来のノイズを軽減する機能と、会話に入ったバックグラウンドノイズをざっくりと軽減してくれる機能が中心になっています。
- マイク由来の「プツプツ」「パチパチ」というノイズの軽減するDe-clickなどの機能
- エアコンの稼働音など、会話のバックグラウンドノイズを軽減するVoice De-noise
- Standard
- 定価61,500円→セール時30,000〜40,000円程度
- Elementsの機能に加えて、息継ぎやクチャ音、サ行の耳に刺さる音などといった口腔由来のノイズを軽減できる機能が追加されています。
- さらに、Standardから本格的なエディター「Spectral Editor」が使えるようになり、特定の音だけを消すような操作もできるようになります。ちょっとコツは必要です。
- 音楽で使っているのであれば、ボーカル、ベース、パーカッションを自動認識して別々に音量調整できる機能「Music Rebalance」も活躍します。
- Advanced
- 定価184,700円→セール時70,000円〜150,000円程度
- Standardまでの機能に加え、会話とそれ以外のノイズを分離できる超強力機能「Dialogue Isolate」が開放されます。
- さらに、服がこすれる音を軽減する「De-rustle」やウィンドノイズを軽減する「De-wind」などかゆいところに手が届くような機能が揃います。
上位エディションはかなり高額ですが、最も安価なElements版のセール期間を狙えば5,000円以下で買えてオススメ。会話のバックグラウンドノイズを軽減する機能Voice De-noiseだけでもかなり有能です。
Elementsを使ったノイズ処理のデモ動画を貼っておきます。
将来より本格的なノイズ除去が必要になったら、ソフトの操作感はそのままにアップグレード割引を使って上位版に乗り換えることも可能なので拡張性も抜群です。
iZotopeのセールは購入方法が複雑になる傾向がなります。
以下記事にセール情報を随時まとめていますのでぜひご活用ください。
【簡単・低価格】声のノイズ除去に特化したWaves「Clarity Vx」
とにかく簡単にノイズ除去したいのであれば2022年に発売されたWavesの「Clarity Vx」はとても強力。
一つのツマミを回転させるだけでノイズ除去ができるシンプルな操作感が特徴。以下の使用例動画を見ると分かる通り、簡単なのにかなり強力です。
実売価格が5千円台後半でセール期間には3,000円台になることもあるほど安価です。
安価な上に使いやすくて強力なClarity Vxですが、欠点もあります。それは、Clarity Vxが人(生き物)の声の録音に混ざったノイズを除去することに特化したソフトだということです。
欠点
- 例えば鳥のさえずりなどといったピンポイントで消したいノイズには弱い
- 人や動物以外の音声は扱えない
ある程度用途は選びますが、求める機能が一致するなら頼れる相棒になってくれるはずです。
Waves「Clarity Vx」のセール情報をこちらの記事でまとめています。
まとめ
2つのソフトを紹介しましたがどちらも性能は高く、無料で使える一般的なソフトと比較すると声質の変化をより抑えながらノイズを軽減することができます。あとは各個人の用途やこれからの目標によって選ぶと失敗が少なくなるでしょう。
これからクライアントワークをこなしていくのが目的(もしくはすでに活躍している)であればRXをオススメします。現場でよく利用されている安心感はやはり大きく、将来足りない機能が見つかったときもアップグレードすれば事足ります。
一方、Youtuberなどといった自分の動画制作で使うのであればより安価ながらいい仕事をしてくれるClarity Vxがおすすめです。シンプルな操作で簡単にノイズ除去ができるので時短にも繋がります。声以外のノイズ除去に使えない点には要注意。
ノイズ除去ソフト選びの参考になると幸いです。