クロスグレードとは、すでに持っている製品を条件にして、別の製品を通常より安く買える仕組みのことです。「乗り換え割」や「所有者割引」と言い換えると分かりやすいと思います。アップグレードが同じ製品の上位版・新バージョンへの買い替えを指すのに対し、クロスグレードは別の製品へ移る/別の製品を足すときに使われます。
ただし「クロスグレード」の中身はメーカーによって違います。他社製品からの乗り換えを指す場合と、同じメーカーの製品を1つでも持っていれば対象になる場合があり、条件がまったく異なります。この記事では両方の型と、自分が対象かどうかの確かめ方をまとめます。
アップグレードとは
まずはアップグレードから。こちらは簡単で、ざっくり2つの場合のことを言います。
- 同じ製品の上位版に買い換えること
- 同じ製品の新バージョンに買い換えること
順番に解説します。
①同じ製品の上位版に買い換えること
まずひとつ目は「上位版に買い換えること」です。同じ製品の中で、機能の多い上位グレードに移るイメージです。
同じ製品でも「Standard」とか「Ultimate」などと名前をつけて、値段によって使える機能に差をつけているプラグイン(ソフト)って多いですよね。
例えば恐らく日本一有名なDAWの『Cubase』の場合、有償バージョンが3つあります。安いものから順番に並べると、以下の通り
- 『Cubase Elements』(最安)
- 『Cubase Artist』(上位)
- 『Cubase Pro』(最上位)
この場合、『Cubase Elements』を持っている人がその上位版の『Cubase Artist』や『Cubase Pro』を買うことをアップグレードと呼ぶことができます。

下位グレードを持っている人向けに、その差額に近い金額でアップグレードできる価格が用意されているのが一般的です。具体的な金額はメーカーやセール時期で変わるので、購入前に販売ページでご確認ください。
②同じ製品の新バージョンに買い換えること
ふたつ目は、同じ製品の新しいバージョンに買い替えることです。
正確にはアップグレードではなく、「アップデート」と言った方が正しいですね。iOS10からiOS11に「アップデート」するって言いますし。でも、iOSのアップデートはいつも無料です。それに比べて、アップデートが有料な場合には「アップグレード」という言葉が使われることが日本では珍しくありません。
例えばiZotopeのノイズ除去プラグインを『RX 11』から新しい『RX 12』に買い換えることが、これにあたります。

『アップグレード』はほとんどの場合、以上の2パターンのことをいいます。総じて「同じ商品のバージョン違いの買い替え」が対象と考えておくと簡単ですね。
クロスグレードとは
今度はクロスグレードについて。先に説明したアップグレードとは違い、会社によって意味合いが異なるのでちょっと面倒。
代表的なパターンを2つ紹介します。
①社内外問わず、同じ機能の製品間での買い替え
まずひとつ目。例を上げたほうが分かりやすいと思います。
例えば、DAWをApple「Logic Pro」からSteinberg「Cubase」に乗り換えたい時。
Cubaseを買う時にLogicユーザーであることをシリアル番号等で証明すれば、クロスグレード価格で購入することができます。

ここでポイントなのは「別の会社の製品から買い換えられること」と「どちらもDAWであること」。
「乗り換え割」と言い換えると簡単に理解できます。
Cubaseに限らず、DAWのクロスグレードはこの形式で提供している会社が多い印象です。
②同社内の製品を持っている人が別の製品を買うとき
こちらは単純明快。同じ会社の有償製品をなんでもひとつ持っているならその会社の別製品を少し安く買えるというもの。

例えばiZotopeの場合、同社の有償製品を1つでも持っていれば、『RX』や『Ozone』などの別製品を買うときにクロスグレード価格が使えます。無償配布で配られた製品が条件を満たすこともあります。
上に挙げた①と②の例だけを比べてもクロスグレードという名のもとでやっていることは全く違いますね。「クロスグレード」の意味は会社によって、製品によって意味合いはまちまちです。ご自身が何かしらプラグインを持っているのであればもしかしたらそれだけで何かしら他製品のクロスグレード対象に実は引っかかっているかもしれません。
このため「安いから」と買った1本が、あとで別の製品を安く買う権利になることがあります。
自分が対象かどうかを確かめる方法
クロスグレードは買う前に条件を満たしているかを確認できるのが普通です。順番に見ていけば判断できます。
- メーカーのアカウントにログインして所有製品を見る。iZotopeやNative Instrumentsなどは、アカウント内に登録済み製品の一覧があります
- 販売ページで「Crossgrade」「Upgrade from ○○」という表記の商品を探す。同じ製品名でも通常版とは別商品として並んでいます
- 対象条件の記載を読む。「any paid ○○ product」なら同社製品を1つでも持っていればよく、製品名が指定されている場合はそれが必要です
- カートに入れた段階でシリアルの入力や認証を求められることがあります。ここで弾かれれば対象外です
注意したいのは、クロスグレード版が通常版より必ず安いとは限らない点です。セール中は通常版の方が下がっていることもあるので、両方の価格を見比べてから決めてください。
iZotope製品については、所有状況ごとにどのルートが最安になるかを次の記事でまとめています。
● iZotope『Ozone』を最も安く買う方法
● iZotope『RX』を最も安く買う方法
● iZotopeのセールはいつ?最安ルートまとめ
結論:自分の持っているプラグインを把握しておくと吉
まとめです。アップグレードとクロスグレードの中身についてざっくりと噛み砕いて解説しました。
総じて共通するのは、普通に購入するよりアップグレード・クロスグレードを活用した方が安くなること。そして、アップグレード・クロスグレードで何かを買うには自分が対象となるプラグインを持っている必要があることです。
皆さんは自分が何にプラグインを持っているか覚えていますか?セールのたびに買い込んで積みに積んだプラグインたちの中に、実はクロスグレード対象のプラグインが混ざっているかもしれません。
自分が持っているプラグインを頭に入れながら日々流れてくるセール記事のアップグレードやクロスグレードの文字を流し見ていくと、プラグインとのいい出会いがあるかもしれませんね。