録音した音声のノイズを消したいとき、「どのノイズを消したいか」で使うソフトが変わります。ホワイトノイズなら安いもので足りますが、部屋の反響を減らしたいとなると専用のツールが要ります。この記事では、症状ごとに何を使えばいいのかを整理します。
DAWでの音楽制作でも、動画編集ソフトの音声でも考え方は同じです。編集ソフト付属のノイズ除去で足りない場合の、次の一手として読んでください。
消したいノイズ別・早見表
| 消したいノイズ | どういうもの | 使うもの | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| 「サーッ」というホワイトノイズ | エアコン・PCファン・マイクの自己ノイズ | RX 12 Elements | 16,900円 |
| エアコンや車の音などの環境音 | 会話の後ろで鳴り続けている音 | RX 12 Elements / Clarity Vx | 8,800円〜 |
| 部屋鳴り・エコー(残響) | 風呂場のように響いてしまった声 | Clarity Vx DeReverb / DeVerberate 3 | 7,040円〜 |
| リップノイズ(クチャ音)・息 | 口の中で鳴る細かいノイズ | RX 12 Standard | 67,800円 |
| サ行が耳に刺さる(歯擦音) | ディエッサーでは取り切れないもの | RX 12 Standard | 67,800円 |
| 声だけを抜き出したい | BGMや雑踏から会話を分離する | RX 12 Advanced / Clarity Vx PRO | 43,780円〜 |
価格は2026年8月4日時点のもの。iZotopeとWavesは国内正規代理店(Media Integration)、Acon DigitalはPlugin Boutiqueの表示価格です。
ホワイトノイズ・環境音を消したい
いちばん多いのがこれです。マイクの自己ノイズ、エアコン、PCのファン音など、ずっと一定で鳴り続けている音が対象になります。
安く始めるなら iZotope『RX 12 Elements』
オーディオ修復では業界標準とされるRXの入門版です。会話の背後で鳴っている環境音を減らすVoice De-noiseと、「プツプツ」というクリックノイズを取るDe-clickが入っていて、この2つだけでも実用になります。
● iZotope『RX 12 Elements』をMIストアで見る(16,900円・税込)
RXは年に数回セールが入り、Elementsは過去に5,000円前後まで下がったこともあります。急がないなら待つのも手です。
● iZotopeのセール情報まとめ
声に特化して手早く済ませるなら Waves『Clarity Vx』
こちらは人の声に特化したノイズ除去です。つまみが少なく、読み込ませて量を決めるだけで背景音が引き算されます。RXのように細かく追い込むことはできませんが、「とにかく声をきれいにしたい」用途では速いです。
● Waves『Clarity Vx』をMIストアで見る(8,800円・通常31,790円)
● Waves『Clarity Vx』の詳しい記事はこちら
部屋鳴り・残響を減らしたい(リバーブ除去)
これはノイズ除去とは別の処理です。反響は元の声と混ざってしまっているので、ホワイトノイズ用のツールではほとんど減りません。専用のものが要ります。
いちばん手軽なのは Waves『Clarity Vx DeReverb』
残響の除去だけに絞った製品です。狭い部屋やライブ録りで響きすぎた声を、あとから引き算できます。
● Waves『Clarity Vx DeReverb』をMIストアで見る(7,040円・通常20,570円)
残響を「減らす」だけでなく「足す」もできる Acon Digital『DeVerberate 3』
残響の量を後から増減できるタイプです。消し切るのではなく、programmatic に量を調整したいときに向きます。2026年8月31日までセール中です。
● Acon Digital『DeVerberate 3』(29%オフ 12,195円・通常17,250円)
● Acon Digitalの修復系16製品の価格一覧
本気でやるなら iZotope『RX 12 Advanced』
RXの最上位には、会話とそれ以外を分離するDialogue Isolateや、最新のRX 12ではミックス済みの音を「セリフ・BGM・効果音」に分けるScene Rebalanceが入っています。映像のポストプロダクション向けの価格帯ですが、できることは別格です。
● iZotope『RX 12 Advanced』をMIストアで見る(231,501円・税込)
リップノイズ・歯擦音を取りたい
口の中で鳴る「クチャ」という音や、ディエッサーでは取り切れないサ行の刺さりは、RX 12 Standard以上の領域です。Mouth De-clickやDe-essに加えて、波形を目で見ながら特定の音だけ消せるSpectral Editorが使えるようになります。
● iZotope『RX 12 Standard』をMIストアで見る(67,800円・税込)
すでに旧バージョンのRXを持っている場合は、アップデート版が用意されています。
● RX 11 Standard からのアップデート(21,500円)
● RX 10 Standard からのアップデート(33,900円)
● iZotope製品を何か持っている人向けのクロスグレード(58,600円)
予算から選ぶ
1万円以下:Waves『Clarity Vx』8,800円。声のノイズだけならこれで足ります。残響も気になるならDeReverb(7,040円)を足すか、まとめて考えるならRX Elementsのセールを待つのが安全です。
2万円前後:iZotope『RX 12 Elements』16,900円。将来上位版へ上げるときに、操作感を変えずにアップグレード割引が使えます。長く使うつもりならこちらが素直です。
それ以上:iZotope『RX 12 Standard』67,800円。Spectral Editorが使えるようになるのがこの版からで、「消したい音だけを選んで消す」作業ができるようになります。
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